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2005年5月15日 (日)

読んだ本の話。

読み終えてから既に一ヶ月も経過しているらしいが、なんだか気持ち悪いので本話。長いです。

●マーヴィン・ピーク著 ゴーメンガースト3部作
ドラマでは、タイタスが旅立つ「ゴーメンガースト」終了までを描いて完としていたんですね。第3部の「タイタス・アローン」を読んで「なるほど、そりゃ正解だ」と思いました。それまでとはほとんど別のストーリー展開なので、そうする以外に収拾つかんというのもあるでしょう。読み終わってまず思ったのは、タイタスが幼少時にガートルードからまともに愛されていたら…ということ。2部終了時までと違ってタイタスが全面的に主人公となる第3部は、正直読み進むのがしんどかった。どうしてもタイタスという人に好感が持てないから。結局、彼ってマザコンなんだと思う…。この3部作、全て合わせるととて~も長編なのですが、マザコンで片付ける自分をどうかと思う。

●ローレンス・ブロック著 「緑のハートを持つ女」
1965年の作品ということもあるのか、やはり今読むと斬新さはないし、手ぬるいように感じます。女に騙されるオチはごく初期段階で瞭然だし、スケールも小さい。でも、退屈しないで最後まで読めるのがブロック。ブロックなのさ。あとがきで訳者の田口氏が述べているのが全くそのとおりだと思った。もう他に何も言うことはない。
あ、あった。
最後、お互いを責めるジョニーとダグ、険悪な雰囲気でどうするのかと思ったら…拳と拳で男の決着ですよ。きみたちは川浜高校ラグビー部ですか。と思ったら年代的にはこちらの方がずっと先だった。泣き虫先生もビックリだった。2人して殴り疲れて床に伸びて、終いにゃ煙草をふかしながら
「これですっきりしたな」
「ああ」
って。って!
その後、夕陽に向かって走り出したらどうしようかとドキドキしていたら、2人でヴェガスに行ってまた一緒に詐欺するんだって。よかったよかった。

●キース・ピータースン著 新聞記者ウェルズ シリーズ
この作家、ショーン・ビーンが悪役コスターを演じた映画「サウンド・オブ・サイレンス」のベースとなった(ぜんぜん話が違ってましたが)小説「秘密の友人」の著者、アンドリュー・クラヴァンと同じ人物です。
「ニューヨーク・スター」紙のトップ記者ウェルズが主人公。で、なんとなくウェルズってマット・スカダーと重なるんですよねぇ。スカダーの寿命を縮めるのが酒なら、ウェルズは煙草。吸い方がもう無茶苦茶。そして離婚暦あり、侘しい独り暮らし。最愛の娘が15歳で自殺していて、流れ弾で少女が死亡というスカダーの過去とかぶる…。
でも、ウェルズったら新聞記者のわりにアクションシーン豊富です。
シリーズ中の登場人物では、マンハッタン・サウス署のゴットリーブ警部補がお気に入りです。
そうそう、あとがきを読んで知ったのですが、このシリーズの翻訳をしている芹沢恵さんという方は、スカダーシリーズ他ブロックの一連の作品を訳している田口俊樹さんのお弟子さんだそうです。そう言われてみると、感じが似ているようにも思えます。

1「暗闇の終わり」
シリーズを全部読んでみたら、このお話がいちばん好きだった。不覚にもホットラインで自殺を思いとどまるよう説得するウェルズが、自分の娘の手紙を引用する部分でウルリときてしまった。

2「幻の終わり」
これはいまいちだった。どうにも、男が書いた小説だなぁ、と思ってしまった。1作目とあんまりテイストが違うのでビックリした。

3「夏の稲妻」
じつはこの作品を最初に読んだのだ。(3→1→2→4の順)それで、まず新聞記者の職業倫理というものについて考えさせられた。政治家がSMプレイに興じる写真を提供されて、それを二つ返事で断るウェルズ。私は最初、投票者の知る権利とかなんとか、まぁ、要するに「どうして公にしないのか。知らずにその人に投票して、後で知ったらショックじゃん」と不思議だった。実際、断ったことが社に知れてウェルズは窮地に立たされるわけだよ。でも、政治家としての手腕と私的趣味は無関係、「写真誌に売り込めばいい」とニベもないウェルズがちょっとかっこよかったのであーる。
だけど、19歳かそこらの娘と関係しちゃうのは…ちょっと嫌だった。そんなウェルズは46歳。(たぶん)

4「裁きの街」
このお話は辛かった。正当防衛で青年を殺してしまうウェルズ。まったくの正当防衛なのに「逃亡者」さながらに孤独に追い詰められていくウェルズが読んでいて苦しかった。心身ともにボロボロになっていたとは言え、ランシングとはプラトニックを貫いて欲しかった…くっつきそうでくっつかないところがイイ感じだったのに。さんざん「あの子は子どもだ」なんて言ってたのに。やっぱりそうなるのか。若くて美人で聡明な同僚に恋慕われる中年記者…どうでしょうか。そんなウェルズは47歳。(たぶん)

ここまで読んでくださった方、いますでしょうか。お疲れさまでした。私も疲れたです。

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