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2011年6月18日 (土)

アレックス・シアラー 「ミッシング―森に消えたジョナ」

読了しました。

行方不明になったのが少年で――小学校高学年くらいの歳の少年だから、誰しもが連れ去った人物を「男」だと思った、ということか。

警察の捜査に対して、「なぜ女の人には訊かないの?」というジョーに、わたしも思ったんだ、そうだよ女だって犯人の可能性ある!って。でも、目的が性犯罪だとしたら男なんだろうな、と。女の動機は母性しか思いつかなかったから。そして、こども欲しさに誘拐するとしたら、ジョナは大きすぎる、と思ったのだ。

物語のわりと最初の方でそんな風に思ってしまった(思わされてしまった)ので、顛末を知って呻いた。

ジョナが行方不明になってからまる二日も重大な事実を打ち明けられなかったジョー。機会を逃し、でもずっと黙っていることもできずに…。

堆肥の山からジョナのリュックを見つけて、むざむざ犯人に知らせるジョー。

ここらへんの迂闊さが、「ああ、きっとわたしもそんなことやりそうだ」と思えてしかたない。ほんとにやりそうなんだ。この残念な感じが自分と通ずるものがある。ちなみに、ジョーは少年。わたしは中年。

しかし、アナに捕らわれてからのジョーは冷静で、勇敢かつ聡明だった。誰の力も借りず、たったひとりで成し遂げたのだから。自分を保とうと耐え抜いたジョナもサヴァイヴァーだ。

アナは恐ろしい。初めてジョーが訪ねて来た日も、窓ぎわでケーキを冷ましていた。ジョナに食べさせるために焼いたのかと思うと、ちょっと、いやかなりゾッとする。

失意のうちに亡くなったグラン(ジョナのお祖母さん)のことを思ったら…もう気の毒で気の毒でやりきれない気持ちだ。

親のこと、親の言うことやしていることがくだらなく思えるときもきっとあるだろう。秘密を持つのは当然。本心を隠してもいい。いざというときに、言うべきこと、してはいけないこととかの判断ができればいいと思う。そうあって欲しいと切に思う。そして、そういうものは、いつ、どうやって身につくのか考えてしまった。うーん。

さいごに。えー、誤字脱字を2箇所みつけてしまってちょっとがっかり。

それと、「森に消えたジョナ」という副題だけど、ぜんぜん森になんて消えてない…というか、むしろ、草は生えてるけど遠くまで視界は開けている風景のイメージで(湿地じゃないんですか?)ずっと読んだので、なんだか「?」という感じだ。原題はただの「LOST」だけど、どうなんでしょう?

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