« 息子画伯的作品 #3 | トップページ | 警視庁捜査一課9係 シーズン7 »

2012年7月 6日 (金)

東野圭吾 「悪意」

読みました。

追記:NHK月曜ドラマシリーズ「悪意」HPです。

読み終えてから、佐々木蔵之介さんが演じたのが野々口修だったのだと確認し…そうか、そうだったのか~。
うーむ、なんともあまりピンとこないままの読後感であることよ。や、読みながら頭の片隅では、たぶん野々口なんだろうな、とは思っていたのだ。だって他にいないものな。犯人役という情報もかすかにインプットされていたし。
そんなあやふやな状態で読んだからか、今頃になってモヤモヤとストーリーを回想しながら脳内で画像をはめ込んでいるような状態です。ちゃんとキャストを確認してから当て読みすればよかったかしらねぇ。
でも、まぁ、純粋な読書ったら読書よね。
それでですね、読み終えて、キャスト確認した今、猛烈にドラマが観てみたかったという思いでいっぱいです。

こんな卑小な男を演じる蔵之介さんを観てみたかった…!
瞳に姑息な光を宿して、理不尽な悪意で満ち満ちた忌むべき男。
しかし、そうと知れるのは物語の終盤なので、そこに至るまでのいろんな顔は、さぞかし演じ甲斐も見応えもあったであろうなぁ、と思うのです。
徐々に化けの皮が剥がれてゆくさまを想像してます。
加賀刑事が、自分の仕掛けた偽の事実にたどり着いたとき、否定しながら心で快哉を叫ぶ野々口…。罠にかかりそうになりながらも、粘り強い捜査で本当の真実を掴んだ加賀に、それを突きつけられた野々口…。

本作は、そういった悪意というものの存在をあらためて確信させてくれる。わざわざどうも、である。殺人の動機探しが軸ですが、動機の動機は単なる悪意。いわれなき悪意、である。
人を貶めることで満たされる自尊心や優越感の存在を、浮き彫りにして突き出してくれちゃって、鬱な感じ満載です。

確かに、野々口の手記は読んでいて「なんか、どこかおかしい」し、ビデオテープの件も、殺人未遂の件も、ゴーストライターの件も、どうもいまひとつ納得できないんだよ。わたしでさえ!このわたしでさえ!!「なんか、おかしい…」この感じ!

わたしが印象的だったのは、日高邦彦の葬儀で、野々口が藤尾美弥子と交わす会話。

「『禁猟地』は」とわたしは言った。「そんなに気に入りませんか。お兄さんのことを冒涜していますか」
「誰にだって秘密はあります。それを公開されない権利を持っているはずです。たとえ死んだ人間でも」
「その秘密を、感動的だと考える人間がいた場合はどうですか。その感動を世間に伝えたいと考えることは、そんなに悪ですか」

物語のわりと最初の方である。
この部分は、野々口がゴーストライターだからこそ言ったセリフだと大いに思え、真実を知った後でもう一度読み直してしまいました。そして、トリックと真実で読者に二重に受け止めさせる作者の意図に唸りました。

シリーズをハシゴして読もうとは思わないけれど、読みやすくておもしろい小説でした。
ドラマがDVDになったらいいのにな~。

|

« 息子画伯的作品 #3 | トップページ | 警視庁捜査一課9係 シーズン7 »

読書」カテゴリの記事

コメント

私ドラマは見たのですが、やはり後味悪かったです(苦)
ドラマでおなかいっぱいで味読なんですが、
原作は加賀刑事?!新参者の加賀?!

ドラマは加賀ではなく、もちろん阿部ちゃんではなく、
カンペーちゃんやったのに、カッコよくてびっくりしました。

人を貶めることで満たされる自尊心や優越感は身を滅ぼすよな、
と野々口の惨めさが教えてくれました。

投稿: カリコ | 2012年7月 7日 (土) 01時39分

カリコさん
やっぱりドラマも後味悪いのですねdown
しかも、ドラマだと野々口は最後に自殺を図るのですか?小説ではしませんよ。
未遂に終わるのかしら、それとも…
そう、加賀刑事が間寛平さんで、役名が西原甲子男になっていたので、どうなっているんだろうかと思っていました。
小説の加賀刑事もかっこよかったです。かっこつけていないところがかっこいいのです。

ドラマを観たカリコさん、いいな~。

投稿: Leek | 2012年7月 7日 (土) 06時14分

わーなつかしいHP!まだ残ってたんですね?

野々口の最後、どーやったかなー
もはや記憶が…sweat02

実はね「悪意」、捨てるには忍びがたくVHSテープは残ってるんですよ。
ですが再生機器がないので確認出来ず(涙)←あかんやん
どっかにVHSをDVDに焼きますってサービスないかなあ。
とはいえ2倍速録画とかで、1本のテープに収まっちゃってるから、状態良くなかった気がするんですが。

投稿: カリコ | 2012年7月 7日 (土) 19時59分

ええーっと、ウチVHSデッキまだ生きてます。
虫の息ですが。
ただ、友人はずっと仕舞ったままにしてたVHS
出してみたらカビ生えてたと言ってました。
ウチの古いのもたまに出して巻き戻すと
そのままテープがプツーン、カラカラ~と。
最悪廃棄になってしまうかもしれない危険を
犯す勇気がありましたらやってみますが。
30分番組でした?
だと6話で180分。1本に入ったなら3倍速?
デジタル放送に慣れた目には
画質的にかなり厳しいと思われますが。

投稿: 凡子 | 2012年7月 7日 (土) 22時18分

えーと、ウチもVHSをDVDにできます。そのはずです。
テープの状態とか画質とか、いろいろ厳しい面もあるかとは思いますが、cd試してみます?

3倍速録画とか、超懐かしい~!
うちも捨てられないVHSいっぱいあって、早くDVDにすりゃ~いいのに、コレがまたなかなか億劫で、動かざること山の如し。
そしてテープの劣化は進む…

投稿: Leek | 2012年7月 8日 (日) 09時32分

そやった、3倍速やった。地デジに慣れた目にはきっと苦痛ですよ(笑)

もしかしてこのビデオ、お二人に見られるために私の元に居残っていたんでしょうか?(笑)
とかいいつつ、10年以上前のテープやし、ラベルが「悪意」なだけで、全話収まってたか?まさか別の番組を上書きしてしまってるか?記憶してないブラックボックスなんですが…それでもよろしくて?
テープがプツーン、カラカラ~になったら、嫌がらせの「悪意」そのものが届くことになりますが、チャレンジしてみますか?
えとーじゃあ、まずLeekさんちにお送りするべしかな?
ご連絡お待ちしておりますwink

投稿: カリコ | 2012年7月 8日 (日) 21時34分

ほいきた!
おメールさせていただきますmaildash
凡子さん、ちょっくらお待ちを~。

投稿: Leek | 2012年7月 9日 (月) 10時09分

えへえへえへ
悪意~~~。
再生してみたら全く違うものが写っていたら…。
井戸から貞子が出てきませんように。

投稿: 凡子 | 2012年7月11日 (水) 21時08分

カリコさんのPVとか?
それはそれでお宝。

投稿: Leek | 2012年7月12日 (木) 14時27分

ああ人間性を疑われるようなモノが入ってたらどうしよう…ドキドキ

もしそうなら関西から貞子を念写!!ビビビpaperthunder

投稿: カリコ | 2012年7月13日 (金) 00時31分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 息子画伯的作品 #3 | トップページ | 警視庁捜査一課9係 シーズン7 »